ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 芸術 2023年05月22日
「凹版レジンアート」と名付けた独創的な造形作品を手がける千葉県の美術作家、智明葵(ちあき)(本名・蛯沢智明)さんの個展が、名古屋市緑区有松のKONMASAで開かれている。繊細で色鮮やかな作品を生み出す新しい発想の技法が、来場者の視線を集めている。
智明葵さんが考案したこの技法は、版画の手法を用いて透明樹脂のレジンに細密な線画、彩色をして作る。鳥を題材にした作品は、版に彫った羽根の細密な柄を、液体のレジンを流して硬化させることで写し取り、彩色した上で、羽根1枚1枚のパーツを組み合わせ、半立体的に造形している。作品に目を近付けると、羽根の中にびっしりと描かれた細線が分かる。
展示は、始祖鳥やニシキゴイなどの生き物を題材にした作品を中心に17点。「レジンが硬化するときの熱で版がゆがむことがあるので、小さなパーツを組み合わせて作る造形作品よりも難しい」という平面作品も並べた。
技法を編み出したのが5年前で、名古屋での発表は初めて。智明葵さんは「初の作品から代表作まで並べた。多くの方に見てほしい」と話した。30日まで(水曜休み)。 (小島哲男)