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【愛知】自由な作風でカラフルに動物描写 名古屋でアールブリュット作家、初個展

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 芸術  2023年08月29日

独特の色彩感覚と視点で生き生きと描かれたペンギンなどの作品が並ぶ会場=名古屋市中区錦で

独特の色彩感覚と視点で生き生きと描かれたペンギンなどの作品が並ぶ会場=名古屋市中区錦で

 アールブリュット作家の「Shin」こと秋本慎ノ介さん(22)=春日井市=の初個展「Summer Zoo」が、名古屋市中区錦のザ・タワーホテル・ナゴヤで開かれている。大好きな動物をカラフルに描いた独創的な絵が並ぶ。31日まで。

 アールブリュットは、美術の専門教育を受けていない人たちによる芸術。自由な作風が魅力とされ、近年存在感を増している。

 秋本さんは2歳のころに自閉症の診断を受け、小学2年から創作を続けている。会場には、昨年の「国際芸術祭あいち2022」でも飾った6点や新作7点を展示。青や緑の目をしたライオン、ピンクの曲線が美しいフラミンゴ、幾何学模様が入った子ブタなど、動物を鮮やかな色彩で捉えた作品が多い。

 主催は、障害のあるアーティストらの展示企画を運営する日進市の一般社団法人「ワンダーハート」。永山雅美代表理事(51)は「私たちはフィルターをかけてしまって見えないものが、彼は純粋だから見え、表現できる」と話す。画材はクレヨンや水彩絵の具の12色のみ。動物の写真を見て、自由な発想で混色しながら非常に短時間で完成させているという。

 個展は、美術品の展示に力を入れる同ホテルが企画。8月中の宿泊費の一部を主催団体に寄付する珍しい取り組みという。 (伊勢村優樹)