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【岐阜】地元の原材料をみそ造りに 白川村に「白川郷HAKKO堂」オープン

ジャンル・エリア : グルメ | 岐阜 | 特産  2023年09月26日

こだわりのみそを紹介する余語さん

こだわりのみそを紹介する余語さん

 多くの観光客でにぎわう白川村荻町の合掌集落。その一角に隠れ家のようにたたずむ小さな工房で15日、村内の原材料を使った無添加のみそと甘酒を製造、販売する「白川郷HAKKO堂」がオープンした。店を立ち上げた余語茉莉花(まりか)さん(35)は「手をかけてこだわったものを届けたい」と思い入れを語る。 (北川鈴乃)

 工房近くにある余語さんの実家は、民芸品店おけさを営む。小さいころから店を手伝う中で感じたのは、地元でつくられた商品の少なさ。いつしか「白川産のおみやげを作りたい」と思うようになった。

 進学で村を出たあと名古屋市で就職し、出産を機に家族でUターン。子どもに食べさせるみそを手作りしていたことから、白川村でみそ屋を開こうと決め、神奈川、福井両県のみそ屋で発酵を学んだ。

 みそ造りは地元の原材料にこだわる。大豆は農家の親類が村内の畑で栽培したもの。白川村産として市場に出ている米はほとんどないが、村の住民がそれぞれの家族のために作ったものを分けてもらっている。

 
ショーケースに並ぶみそと甘酒=いずれも白川村荻町で

ショーケースに並ぶみそと甘酒=いずれも白川村荻町で

 現在店頭に並ぶみそは昨秋から造り、貯蔵庫のたるで1年かけて発酵させた「白川村の四季を吸収したみそ」。大豆と米こうじの割合を変え、あっさりした「美人みそ」と甘みが強い「贅沢(ぜいたく)みそ」の2種類を200グラムからの量り売りで販売する。

 甘酒も同じく村の原材料を使い、加熱せず生きたままの乳酸菌が入っているのが特徴。村の特産品である黒米を使った「黒米甘酒」は、プチプチとした食感が楽しい。

 今後はこうじの粒が残った粒みそや、村の果物を使ったフルーツ甘酒づくりも構想中。余語さんは「夢はみそ屋のおばあちゃん。『30年みそ』を造れるところまでやりたい」と、将来を描きながら笑みをこぼした。

 営業は毎週金曜の午前10時から午後3時まで。降雪期は休み。