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【愛知】書で感じる偉人の人となり 春日井で平安から現代までの作品展示

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 文化 | 歴史  2023年09月28日

人となりや時代ごとの特徴が表れた書が並ぶ会場

人となりや時代ごとの特徴が表れた書が並ぶ会場

 歌人や武将など歴史上の人物の書から、時代の特徴などを感じてもらう特別展「人と書~日本の書の息吹~」が、春日井市松河戸町5の道風記念館で開かれている。10月29日までで、前期と後期で一部作品を入れ替え、平安時代から現代までの計65点を展示する。

 展示品は全て、同記念館顧問で日本書史・古筆学研究家の古谷稔さん(82)が、20代のころから論文の作成などのために60年ほどかけて集めたコレクション。これまであまり表に出してこなかったが、これまでの集大成とも言える本を出版したことから同館に展示を提案したという。

 歌人・藤原定家が自らの歌をしたためた書は、文字同士のつながりが少なく、横幅が広い。同館学芸員によると、読み間違いを減らし、後世に歌を残そうという思いが込められているという。

 戦国武将・伊達政宗が、鳥肉を次男に送った際に添えた手紙は、くだけた雰囲気ながら墨のつぎ方などに書の能力の高さが感じられる。ほか、江戸時代の僧侶で歌人の良寛による万葉仮名から平仮名になる途中段階の草仮名を用いた和歌など、人となりや時代ごとの書の特徴が読み取れる内容となっている。

伊達政宗が次男に宛てた手紙=いずれも春日井市松河戸町5の道風記念館で

伊達政宗が次男に宛てた手紙=いずれも春日井市松河戸町5の道風記念館で

 作者がはっきりとしたものが多く、時代ごとの特徴を反映した作品を中心にした日本書史の流れを見られる貴重な展示といい、同館学芸員は「書を通じて、時代の個性や当時の人を感じてほしい」と来場を呼びかけている。展示内容を解説とともにまとめた冊子も税込み800円で販売。前期(10月9日まで)の半券を提示すれば、後期は半額で入館できる。 (磯嶋康平)