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【石川】金属の「表情」のぞきに来て 金工作家 和田さん パーク獅子吼に工芸品店

ジャンル・エリア : 工芸品 | 石川  2023年11月08日

和田真以子さんが手がけたスプーンやフォーク、菓子皿など

和田真以子さんが手がけたスプーンやフォーク、菓子皿など

釉薬使うアクセサリーなど

 白山市八幡町にあるパーク獅子吼(ししく)の食事処(どころ)として人気を集め、昨年閉店した「泰夢(たいむ)」の跡地に、同市の金工作家和田真以子さん(33)の生活工芸品店「兩(りょう)」がオープンした。銅などを用いたスプーンやフォーク、菓子皿、釉薬(ゆうやく)を使って金を表面に浮かばせたアクセサリーなどを販売しており、一点一点が豊かな「表情」をのぞかせるような仕上がりとなっている。 (安里秀太郎)

 兩は、泰夢と同じく旅館「和田屋(わたや)」(同市三宮町)の姉妹店。泰夢の閉店に伴い、和田さんの作品を紹介したり売ったりする「クラフトショップ」としての活用を和田屋側が和田さんに持ちかけた。

 和田さんは1990年、白山市生まれ。金沢美術工芸大と同大大学院で金工を学んだ。卒業後、県外で古物商や家具の修理の仕事に就いた。5年前に石川県に戻り、金沢卯辰山工芸工房での研修を経て、作家として昨年独立。兩の開店に合わせ、白山市内に拠点を移し、作家活動と並行して店の運営をしている。

さまざまな工芸品が並ぶ兩の店内=いずれも白山市八幡町で

さまざまな工芸品が並ぶ兩の店内=いずれも白山市八幡町で

 金属で作られた和田さんの食器の中には、ごくわずかにさびが見られるものも。「焼成のとき、微妙なさびができても『自然の表情』と捉え、あえてそのままにしている」という。鈍く光る金彩を施したブローチなど和田さんが作ったアクセサリーのほか、泰夢で使われていたレトロな見た目のパフェ皿やケトルがある。九谷青窯(せいよう)(能美市)や田谷(たや)漆器店(輪島市)の工芸品も仕入れ、並べている。

 和田さんは今後、兩でワークショップの開催を検討しており「金継ぎなどの修理を教える内容にしたい。ものを長く大切に使う手段の一つとして、参加者に提案できれば」と話している。