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【石川】縁起物の九谷焼で「迎春」 錦窯展示館 八十吉作品など

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川  2023年12月27日

初代徳田八十吉が手掛けた中央部の龍が目を引く吉田屋欽慕龍図飾皿

初代徳田八十吉が手掛けた中央部の龍が目を引く吉田屋欽慕龍図飾皿

 来年の干支(えと)「辰(たつ)」や縁起物をあしらった九谷焼を並べた企画展「迎春」が、小松市錦窯展示館で開かれている。来年1月30日まで。初代から四代にわたる九谷焼作家徳田八十吉の作品を中心に15点を展示している。

 今年で生誕150周年を迎えた初代徳田八十吉(1873~1956年)の「吉田屋欽慕(きんぼ)龍図飾皿」は、直径45センチの大皿の中央部にたけだけしい龍が描かれている。同じく初代の「龍香炉」は、とぐろを巻いた龍の口から煙が出る仕掛けでユニークな作品。

 小松の出身で江戸時代後期の九谷焼の名工粟生屋(あおや)源右衛門の「宝尽亀摘分銅型香合(たからづくしかめつみふんどうがたこうごう)」は、縦5センチ、横4センチの香合に、打ち出の小づちや宝巻など宝物を集めた吉祥文様が色鮮やかに描かれている。縁起が良いとされる弧状にくびれた分銅型で、上部には長寿の象徴である亀があしらわれている。山前圭司学芸員は「九谷焼は絵だけでなく、造形も含めて面白いことを知ってほしい」と来場を呼びかける。

色鮮やかに吉祥文様があしらわれている粟生屋源右衛門の宝尽亀摘分銅型香合=いずれも小松市錦窯展示館で

色鮮やかに吉祥文様があしらわれている粟生屋源右衛門の宝尽亀摘分銅型香合=いずれも小松市錦窯展示館で

 入館料は一般300円、高校生以下無料。水曜と祝日の翌日は休館。年末年始は29日~1月3日が休み。(久我玲)