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【富山】奈良時代の正月 想像して 高岡・万葉歴史館で企画展

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 文化 | 歴史  2024年01月09日

展示している「子日目利箒」=高岡市万葉歴史館で

展示している「子日目利箒」=高岡市万葉歴史館で

 正倉院(奈良市)の模造宝物「子日目利箒(ねのひのめとぎのほうき)」をはじめ、正月にちなんだ所蔵品が、高岡市伏木一宮の市万葉歴史館で29日まで展示されている。

 「子日目利箒」は奈良時代、孝謙天皇が正月に廷臣に与えたとされる。正月初めての子の日に、蚕を飼う部屋を掃除する時に使うほうきをガラス玉で飾った儀式用の道具。古代中国で豊穣(ほうじょう)を願って皇后が蚕室を掃く儀式に由来する。展示品は大正-昭和初期、正倉院模造宝物を多く製作した工芸家の吉田包春が再現した模造品。

 万葉集を編さんしたとされる奈良時代の歌人で、越中国守として赴任した大伴家持は「子日目利箒」について「初春(はつはる)の初子(はつね)の今日(けふ)の玉箒(たまばはき)手に取るからに揺らく玉の緒」と歌に詠んだ。同館図書情報課長の関隆司さんは「奈良時代の正月の朝、玉箒のガラス玉が当たってカチカチと音が鳴る情景を想像してみて」と話す。

 ほかにも、万葉集の中から越中に関連する歌100首を選んで制作した越中万葉かるたの屛風(びょうぶ)、万葉衣装、越中歌枕マップなども展示している。開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時15分まで)。火曜休館。観覧料は一般300円、中学生以下は無料。 (武田寛史)