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【富山】紫草が織りなす高貴さ 高岡市歴史館「万葉植物と色の世界」展

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 工芸品 | 文化 | 歴史  2023年08月31日

田中夏陽子主査研究員(左)から万葉衣装の説明を受ける高岡万葉大使の2人

田中夏陽子主査研究員(左)から万葉衣装の説明を受ける高岡万葉大使の2人

新任大使2人も見学「礼服と朝服 興味深い」

 高岡市万葉歴史館の秋の特別企画展「万葉植物が織りなす、うるわしき色と歌 万葉植物と色の世界」が開かれている。古代衣装研究家の山口千代子さん(奈良県)が制作した万葉衣装と、歌人で草木染作家の井関古都路(ことじ)さん(岡山県)の万葉草木染の計約50点を万葉集の歌と古の色を解説しながら紹介している。11月27日まで。(武田寛史)

 万葉衣装では、奈良時代の歌人で越中国守で万葉集を編さんしたとされる大伴家持をイメージをして制作した従五位の朝服(ちょうふく)、家持の父で大宰帥の大伴旅人をイメージした礼服(らいふく)、国宝の高松塚古墳壁画の女子群像図の衣装を基にした作品などが飾られている。

 井関さんの草木染では、紫草(むらさき)の根で染色した深紫(こきむらさき)の反物、万葉衣装に用いられた色を染色するための紫草や紅花、くちなしの実など植物を展示している。

紫草の根で染めた深紫の反物=いずれも高岡市万葉歴史館で

紫草の根で染めた深紫の反物=いずれも高岡市万葉歴史館で

 同館の田中夏陽子主査研究員は「万葉の美しい色の中に万葉集や万葉植物の文化を感じ取ってほしい」と話す。

 今月に新しく委嘱された高岡万葉大使2人が26日、万葉集や大伴家持の学習のために訪れた。女性(21)は「場面ごとに礼服と朝服が決まっていて興味深い。紫色にも浅紫、深紫の違いがあってきれい」、女性(20)は「万葉衣装を着てみたい」と感想を話した。

 同館は9月16~18日午前9時~午後4時に万葉衣装の着用体験を行う。料金は1人30分で300円。開館時間は10月末までは午前9時~午後6時、11月から午後5時に閉館。火曜休館。観覧料は一般300円、中学生以下は無料。