カレル橋をめぐる伝説
2007年10月29日
カレル橋は完成以来、600年以上にもわたり、たびかさなる洪水や増水にもめげず、決壊するようなことはありませんでした。いまカレル橋は人以外は通ることができませんが、古い写真を見ると、トラム(市電)が走っていた時代もあります。いまは山ほどの観光客が訪れる日もありますが、橋はもちろんびくともしません。
昔の職人たちは、頑丈な橋をつくるため、モルタルに卵を混ぜることを思いつきました。国王カレル4世はボヘミア(チェコの古い呼び名)の各街々に、プラハに卵を集めるように命じました。
プラハの近郊にある村ヴェルヴァリの人たちは国王の命令だから、卵を運ぶときに割れたらたいへんだと、知恵をしぼりあいました。ゆで卵にして運べば割れることはないということになって、その卵をゆでて運びました。
こうして無事、プラハの地に送り届けることができるにはできたのですが、それからというもの、ヴェルヴァリの人たちは国中の笑いものになったという昔話があります。もちろんゆで卵にしてしまったら、モルタルには混ぜられないからです。
現在、カレル橋を補強する工事が進められています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
前の画像だとよく分からなかったのですが、この画像で彫像の様子がよく分かりますね。
それにしてもすごい混雑ですね。
卵の白身をモルタルに混ぜる話は他で聞いたことがあります。
ソコでは、卵菓子がお土産で売られていましたが、カレル橋ではどうですか?
シロヤギ | 2007年12月 2日 10:16
観光シーズンのプラハはほんとうに人が多く、驚くことがあります。カレル橋では卵菓子は売っていませんが、革命後ほどなくしたころに賞味期限切れのロシア製のキャビアが安く売られていたのを何度か見かけ、買ったことがあります。
増田幸弘 | 2007年12月 2日 10:33