十三まいり この橋振り返るべからず
2014年4月17日
別れと出会いを連れてやって来る、春。
この3月末には、5%の消費税との別れがありました。
そして4月には、8%の消費税との出会いがありました。
京都には「十三まいり」という独特の風習があります。
数えで13歳に成長した少年少女が成人の儀式として、嵐山・法輪寺の虚空蔵菩薩を参詣。
智恵を授けてもらうので「智恵もらい」とも呼ばれます。
江戸時代には「難波より 十三まゐり 十三里 もらひにのほる 智恵もさまざま」という歌も詠まれ、
京都だけでなく近畿一円からの参詣がうかがえます(法輪寺ホームページより)。
かつては虚空蔵菩薩の縁日である陰暦3月13日、現在の4月13日に参詣するのが一般的だったそう。
現在では3月13日から5月13日、または10月から11月に参詣できるようになっています。
数えの13歳は、自分の干支が生まれて初めて巡ってくる年でもあります。
子供から青年になるという意味を込めて、男子はブレザーにネクタイ、女子は振袖などで正装。
特に女子の着物は、この日を境に大人の寸法でしつらえた本裁に変わります。
また、この時期は新・中学一年生ということもあり、真新しい制服に身を包んで参詣する姿も多く見られるようですよ。
法輪寺では祈祷のあと、紙に筆で好きな漢字を一文字書いて供えます。
思い入れのある漢字が多いそうで、ナス子は自分の名前の一文字を書いたのを覚えています。
※「茄」ではありませんよ!
2月には一面銀世界だった嵐山。
雪で滑らないよう慎重に足取りを進めた渡月橋に、軽やかな足音が響きます。
「十三まいり」の帰り道、渡月橋を渡る子どもたちには試練が課せられます。
"渡りきるまで決して後ろを振り返ってはいけない"と。
振り返ると授けられた智恵を返してしまうことになるからです。
"未来に向かって前進するのみ"という激励と、"決められたことを厳守せよ"というしつけも込められているのですね。
中には、後ろからわざと子どもの名前を呼んで振り向かせようとする、イケズな親御さんもいるそうですが...。
"この橋渡るべからず"で有名な一休さん(一休禅師)なら、
"この橋振り返るべからず"といわれて、別の智恵を働かせたかも知れません。
(ちなみに一休さんゆかりの酬恩庵一休寺は、京都府京田辺市にあります)
別れと出会いを繰り返す世の中で、絶やすことなく守りたい京都特有の風習。
13歳でなくとも、消費税に振り回されずスマートに暮らしていける智恵を授かりたいものです。
★虚空蔵 法輪寺(通称:嵯峨の虚空蔵さん)
住所:京都市西京区嵐山虚空蔵山町
アクセス:阪急嵐山駅から徒歩3分
ホームページ:http://www2.ocn.ne.jp/~horinji/
- 賀茂 ナス子
京都生まれ、京都育ち。
中学は吹奏楽部、高校は茶道部に所属、そして大学時代はアメフト部のマネージャーを経験。
やりたいことは何でもやってみるのがモットーだ。
念願だった京都の編集プロダクションに入社し、京都のフリーマガジン[news]や京都に関する旅行誌などの編集・ライターを担当している。
友達に舞妓さんがいるのがちょっとした自慢。
愛犬は柴犬。二条城のまわりを散歩するのが日課だ。
好物は京都[第一旭]のラーメン。
おやつは[出町ふたば]の豆もち。
最近名古屋がわりと近いことを知った。
京都はうす味の料理が多いので、みそカツをはじめて食べたときごはんを3杯食べた経験を持つ。
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