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ボストン アトムファンの至言

2014年03月20日

 「鉄腕アトムはいつまでも私の心にいるんですよ」。サンタクロースのようなひげを蓄えたロボット工学の専門家、クリスさんは笑顔を見せた。

 ロボット研究の先進地、米ボストン。身長190センチの油圧式の人型ロボットは、武骨な金属がむき出しだ。動作で力み過ぎたのか、関節から漏れたオイルで研究室の床に油だまりができていた。汗かと思った。

 かつて日本で見たホンダのASIMO(アシモ)の実演を思い出した。ステージを小走りに移動する高度なメカに感動した。だが、ここで見たロボットの印象は随分違うものだった。

 クリスさんは「日本のロボットはきれいな空間で精密なギアを使う。私たちは油圧で動かす。砂ぼこりのひどい砂漠でオイルが漏れても、パワーで使命を果たす」と言う。

 アトムを生んだ国の開発方向は間違っているのか。「そうじゃないよ。それは開発哲学の違いだ」とクリスさんは強調した。原発事故の現場など、過酷な災害現場でのロボット活用は重要度を増している。2つの国の哲学が結び付けば、ロボット開発は大きく前進する、と確信した。 (斉場保伸)

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