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米キティホーク ライト兄弟 生んだ風

2015年10月15日

 「あの日、ライト兄弟は風に向かって飛んだんですよ」。パークレンジャー(国立公園監視員)に「記憶が曖昧なんですが追い風でしたっけ?」と尋ねると、即座に答えてくれた。何度も聞かれるのだろう。

 米ノースカロライナ州キティホーク近郊の大西洋岸。記憶にある偉人伝の舞台は、国立公園として整備されていた。1903年12月17日、人類初の有人動力飛行が行われ、新たな時代を切り開いた場所だ。砂丘地帯だと思っていたら、運動場のような砂地。雑草も茂る。

 なぜこの地を選んだのか。彼らはワシントンの気象局から取り寄せた風のデータを検討し、全米で一定の風がいつも吹いている場所を探した。人目につかないことも重要な条件だったことをここに来て知った。

 離陸地点に立つと、第1飛行から最後に259メートルを飛んだ第4飛行の着地点まで、ほぼ一直線に目印となる石が置かれている。向かい風だ。「これはあの日と同じ風ですか?」。ワクワクして聞くと、パークレンジャーは申し訳なさそうに「あの旗を見ると、東にずれてますね」と、これも即座に答えてくれた。 (斉場保伸)

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