2019年05月31日
すし人気はシベリア最大の都市イルクーツクにも届いているようで、店舗でもスーパーの総菜でもよく見かける。現地で最多の店舗数を誇るすしチェーン店にも入ってみた。
カフェのようなしゃれた内装に日本を意識したであろうオブジェ。せっかくなので日本ではお目にかかれないメニューを注文してみた。うなぎと生サーモン、きゅうりをたっぷりのクリームチーズとともに太巻きにして、パン粉をつけて揚げた一品。上からさらにうなぎのタレとゴマがかけられている。輪切りのそれをほおばると、脂の乗った具材に濃厚なクリームチーズがからんで、もはやすしではない別ものだった。
さてテーブルには、もう一つ謎の皿が出された。2センチ角のくぼみに液体、そして横にラムネのような白い錠剤。液体の匂いを嗅ぎ、なめると無味無臭。ただの水のようだ。
錠剤は? 店員に聞くと「シボーリ」。そう言って去ったが、再び戻ってきて「手を洗うやつさ」。どうやらおしぼりらしいが、いったいどう使うのか。店員もいまひとつ分かっていない様子。食べなくてほんとうによかった。 (高橋達郎)