2019年12月02日
香港の逃亡犯条例改正案を巡る抗議活動の影響が、身近に及ぶとは想像していなかった。
8月13日から約1週間、香港に住む日本人の友人家族がタイ旅行を予定。バンコク市内を案内する計画を練り、再会を心待ちにしていた。
だが、前日の12日に始まった香港国際空港での座り込みのため、13日朝の友人家族の便も欠航になってしまった。14日の午後便に変更したものの、5歳の子連れで空港との行ったり来たりを強いられたり、タイのホテルと返金の交渉をしたりと、バンコクに着くまでヒヤヒヤの連続だったようだ。
6月に最初の大規模デモが起きたころは、友人も「自分から近づかない限り、デモに遭遇しない」ととらえていた。だが「最近は会社や子どもの幼稚園の近くでも発生する」と、SNS(交流サイト)でつながり、場所を変化させながら続く活動の広がりに、驚いていた。
バンコクではともにタイ料理を楽しんだが、友人だけおなかを壊してしまった。トウガラシの刺激のせい? いやそれ以上に、着地点の見えない香港情勢への不安と疲れが要因に思えた。 (北川成史)