2021年01月09日
クリスマスが近づくと、ロンドン中心部の職場の周りはイルミネーションに彩られる。今年は百貨店の外壁いっぱいに暖色の電飾がつられ、近くの小道には羽を広げたクジャクを模した装飾がお目見えした。
新型コロナウイルス感染の再拡大で、今春に続いて11月上旬から都市封鎖(ロックダウン)に入ったロンドン。それから間もなく職場へ行くと、路上でイルミネーションを楽しむカップルや友だち連れの多さに驚いた。春の都市封鎖時は閑散としていた一帯だが、コロナ禍への慣れや蓄積したストレスで街へ繰り出してしまうのだろう。
もう一つ、春との違いが。「ひどい空腹です」「小銭をください」などと書いた段ボールを手に、ホームレスがあちこちに座っている。
英政府は今春、ホームレスへの感染拡大を防ぐため全員をホテルなどに収容する政策を行った。今回も1500万ポンド(約20億円)の資金を自治体に提供するが、不況によるホームレス増加やコロナ禍での収容施設減少で不十分らしい。コロナ禍だけでなく寒さも厳しい。もう一度、彼らみんなが住まいを得られればと思う。 (藤沢有哉)