水温む春。
田植えも終わり、
水辺の植物が生き生きと輝き出す季節です。
日本三大カキツバタの自生地の一つ、
刈谷市井ヶ谷(いがや)町にある小堤西池(こづつみにしいけ)へ、
カキツバタ群落を見に行ってきました。
国の天然記念物にも指定されている貴重なスポットですが、
車通りの多い道路や住宅街からそれほど離れておらず、
訪れやすい場所にあります。
↑小堤西池への遊歩道。
洲原池公園の駐車場に車を置き、
公園とは反対側の北へ向かいます。
横断歩道を渡ると、
「カキツバタ群落遊歩道」の看板と警備員さん。
足元には「あと727歩」の文字。
↑少し歩いていくと、「あと400歩」。
はい、頑張ります。
↑小堤西池に到着~。
それまで薄暗い林道だったので、一気に目の前が明るくなりました。
↑青紫の可憐な花がちらほら。
これで大体、2分咲きぐらいだそうです。
見学者もちらほら。
ガイドをしていた「守る会」の方のお話だと、
関西や東京の方から見に来る人もいるそうですよ。
↑池の周りを囲むあぜ道から。
もう少し近いところで見たいなあと思って
歩いていくと…。
↑目の前に咲いている花を発見!
手のひらと大きさを比べてみると、
ちょっと小ぶりですね。
↑こちらは少し大きめ。
土に含まれる栄養分や陽当たりなどによっても
花びらの色や大きさに若干の違いが見られるそうです。
↑中には、こんな色の花も。
↑「国天然記念物」石碑。
昭和15年10月9日の日付で、
「昔時 三河平野に多かりし かきつばた群落の僅に今日残るものなり」
と説明が書かれています。
カキツバタは愛知県の花でもあり、
刈谷市とそのお隣の知立市の花でもあります。
↑2つ並んで、背比べしているみたいですね。
↑つぼみの先にとまった、シオカラトンボ。
↑これは多分、アオモンイトトンボ。
画面中央の茎の中ほどに、
おしりを左側に向けてとまっているんですが、
わかりますか?
青緑色の体色がとってもきれいです。
水中には、メダカもたくさんいましたよ。
↑まさに今から咲こうとしているつぼみ。
↑30分ほどで、一枚開きました。
全部開くまでには、1時間ほど待つ覚悟が必要です。
↑さっきとは違う花ですが、
一枚開いてから少し時間が経って、花びらが伸びた感じ。
カキツバタは、一本の茎で2つから3つの花を咲かせるそうです。
↑右側の一番花が終わり、
その左側に準備万端の二番花のつぼみが伸びてきているところ。
昭和15年に国の天然記念物の指定を受け、
自然環境がしっかりと保護されているせいか、
自然のままの花の姿、生態系をじっくり観察できました。
手をかけた満開の花畑や大輪の花もステキですが、
今回は、いつまで見ていても飽きない自然の美しさや営みを
実感させてもらえました。
ときにはこうした自然の存在に触れ、
子々孫々にまで受け継いでいきたいものですね。
取材日:2014年5月11日
小堤西池のカキツバタ群落
愛知県刈谷市井ヶ谷町小堤西1
交通アクセス
○公共交通機関
名鉄「知立」駅から名鉄バス「三好」または「日進駅」行きに乗り「上ノ郷」下車、東へ徒歩約10分
○車
伊勢湾岸自動車道・豊明ICから北東へ約7km。
※「洲原公園(北側)駐車場」(無料)利用、駐車場から徒歩約15分。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。