8月に入ってようやく梅雨が明け、夏本番。
三密を避けつつ、
自然の花を愛でられる場所と涼を求めて、
愛知県豊田市稲武町にある「大栗山(ケヤキの森)」に、
オオキツネノカミソリの群落を見に出かけてきました。
稲武地域は、
夏焼城ケ山(なつやけじょうがさん/標高889メートル)
をはじめとして、標高1000メートル前後の山が連なる山間地です。
目指すケヤキの森も大栗山中にあり、
いなぶ観光協会の方に「山歩きできる靴でいらしてください」
とアドバイスしていただきました。
↑県道80号沿いにある登山口の
すぐ脇にある路肩の待避スペースに車をとめると、
分かりやすい看板が出迎えてくれました。
「オオキツネノカミソリ自生地まで0.6k(600メートル)」
とあります。
↑登山口から伸びる道。
想像していたより素朴な風景だったので、
本当にここからでいいのかな、
と、若干不安になりながら歩みを進めました。
↑木立の間を縫って、
小さな沢伝いに進みます。
空気がさわやかでしっとりとしているので、
深呼吸をすると、体の中から潤うような感覚です。
運動不足のため、息が上がってしまいましたが、
心地良い空気と目に優しい緑のおかげで、
くじけずに登っていけました。
↑少し開けたところに出ました。
結構歩いた感覚があったので、
目的地はもうすぐだろうと思いましたが、
そこには「あと200m」の看板が。
まだ3分の2しか歩いていない、
という現実に少しショックを受けながら、
先を急ぎます。
↑何やら小屋が見えてきました。
その背後に、オレンジ色の点描が広がっている…。
目的地に到着です!
↑「観察小屋 城ケ山を守る会」とあります。
中には、ベンチと机、自由帳が置いてありました。
↑「オオキツネノカミソリとケヤキの森」の案内看板。
この辺りのオオキツネノカミソリは、
明治以降、
大栗山一帯に住みついた木地師たちが
薬草として栽培していたもので、
今なおきれいな花を咲かせている
とあります。
キツネの毛色のようなオレンジ色が特徴のオオキツネノカミソリは、
ヒガンバナ科の多年草。
使い方次第では薬草にも毒草にもなる植物です。
↑谷間に点々と咲くオオキツネノカミソリ。
↑咲いている範囲は、かなり広く感じました。
登山道整備などさまざまな活動を行っている
「城ケ山景を愛する会」のHPでは、
「0.5ヘクタール(5000平方メートル)に約2万株」
とのことです。
↑こんな斜面にも、たくさんの花が。
↑群生地は金網で囲われていますが、
ぐるりを自由に見て歩けるように、
階段がしつらえてあります。
↑日当りのいいところは、
やっぱりたくさん咲いていますね。
全体の咲き具合としては、3割ほどでしょうか。
↑ここは満開。
↑これだけかたまって咲いていると、
とても華やかですね。
↑1本の茎には2~3個の花が付きます。
↑つぼみが、にょきにょき。
次から次へと出てきますよ、みたいな。
この感じ、ヒガンバナによく似ていますね。
つぼみまで全部咲いたら、
谷全体がオレンジに染まってきれいだろうな、
もう1回来たいな、
と思いました。
↑途中で見かけた印象的な植物たち。
左上から時計回りに、
ハイゴケ、ジャゴケ、スギゴケ、ダイコンソウ。
※植物名はいずれも推定です。
ほかにも、
多様なコケ類や岩類があって、
探検気分で楽しく歩けました。
↑途中で見かけた印象的な生物たち。
左上から時計回りに、
カラスアゲハ、クロイトトンボ、ザトウムシ、ニホントカゲの幼体。
※生物名はいずれも推定です。
チョウは動きが素早くてぶれちゃってるし、
トンボやザトウムシは細くてわかりにくいですが、
(それぞれの画像の中央にいます)
自然体な雰囲気にとても癒やされました。
また、
ニホントカゲの幼体がこんなにも鮮やかな色をしている
ということに、びっくりしました。
(日常生活の中で見かけることは、まずありませんから…)
木々や岩、コケ、
草花や虫たちが正常に営みを続け、
豊かに水が循環している場所というのは、
こんなにも心地良いものかということを感じ、
とてもリフレッシュできた1日でした。
心おきなく花を楽しめる日々が戻りますように。
新型コロナウイルスの一日も早い終息を祈ります。
取材日:2020年8月8日
大栗山(ケヤキの森)
豊田市稲武町井山
TEL:0562-77-6283(いなぶ観光協会)
※入場自由(整備・保護活動への協力金箱有り)
交通アクセス
○車
猿投グリーンロード「力石」ICから国道153号、国道257号、県道80号経由で、北東へ約40km。
※県道80号沿いの「名古屋市稲武野外教育センター」より数百メートル西にあるため、カーナビには「名古屋市稲武野外教育センター第1本館」と入れると便利。
※無料駐車スペース有り(約10台分)。
- まころーど
- 名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。