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モルドバ・ティラスポリ 「秘境」の実際の姿は

2019年05月20日

 旧ソ連の東欧モルドバ内で、ロシア系住民が一方的に独立を宣言した「沿ドニエストル共和国」を初めて訪れた。ウクライナ国境と接した細長い地域。国際的に非承認の「独立国」という特性から、インターネット上では「いまだ残るソ連」といった秘境扱いの旅行記も散見される。

 確かに「首都」ティラスポリの中心にはレーニン像が立ち、戦車が鎮座する。しかし、普段、ロシアで生活している身からすると、よくある地方都市の風情だった。

 独立宣言から約30年。ロシアの支援に加え、なし崩し的に貿易を拡大し、いまは80カ国と取引があるという。映画館では最新の米国映画が上映され、カジノもあった。家電量販店には欧州連合(EU)や日本の製品も置かれ「閉ざされた地域」という事前の印象は変わった。

 モルドバとドニエストルの和平交渉は長く停滞する。欧州最貧国ともいわれるモルドバは首都キシニョフでも道路が陥没し、落書きだらけの廃虚が目につく。国土統一の機運を盛り上げる近道は、ドニエストルの住民があこがれるような経済発展や未来への可能性を示すことなのかもしれない。 (栗田晃)

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