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上海 飲んべえ天国の習慣

2019年09月30日

 上海市内の日本式焼き肉店にワインを持ち込み、女性店員に「ワイングラスをください」と頼んだら「持ち込みは禁止です」と拒まれた。「何を当たり前な」と思うなかれ。中国では酒類の持ち込みは普通のことだ。

 持ち込みは「消費者権益保護法」で正当化されている。ところが店によっては禁止したり、持ち込み料を取るところもある。北京の同僚によると、最近は禁止の店が増えているというから、地域差もあるようだ。

 再び冒頭の焼き肉店。「法律上、持ち込みは断れないですよね」と尋ねると、向こうは「知っています。でも当店では禁止です」と頑として譲らない。飲食店で売られる酒類の利益率の高さは日本も中国も同じ。収入源を手放したくない経営者が店員に指示しているのだろう。

 地区の消費者センターは「法律違反の店があれば、直接指導します」と言ってくれる。ただ時々行く店なので、密告みたいなまねはしたくない。持ち込みの自由化も容易ではない。

 それにしても、酒の持ち込みは、私のような飲んべえには何とも素晴らしい習慣だ。日本も見習ってほしいと思うのだが、無理かなぁー。 (浅井正智)