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ソウル 「かつら大国」の一面

2021年09月02日

 「かつらにしたんです。どうです? 似合うでしょ」。韓国人の友人が笑顔で言う。久しぶりに会い、髪の量が増えたことには気付いたが、日本人の感覚からすれば隠しておきたいに違いない。あえて言わないでいたのだが、自分から明かしてきて驚いた。

 以前にも、かつらを常用する別の知人が「みんなにこの方が若く見えると言われるんだ」と平然と話していたことがある。韓国でも秘密にしている人は多いようだが、そこまで隠したり、恥ずかしがったりすることではないらしい。

 韓国は、外見が重視される社会とよく言われる。男女問わず整形手術への抵抗感は少なく、証明写真は修整するのが当たり前。手を加えても、見た目が良くなればそれでいい。考え方の違いなのだろう。

 かつらは、韓国語で「カバル(仮髪)」。街中でもハングルで「カバル」と書かれた店の看板を見かけることが少なくない。韓国のかつら産業は、市場規模がこの10年間で5倍に成長したという。よく知られる美容整形だけでなく、「かつら大国」という一面もあるようだ。

 (中村彰宏)