2023年04月30日

　新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いてきたこともあり、北京の知人が高級日帰り温浴施設に連れて行ってくれた。現代的な洗練されたデザインの施設には、中国各地の料理が食べられるレストランがある。高級アイスクリームや果物は食べ放題。最新のゲーム機やマージャン、カラオケなどで遊べる部屋などがあり、若者でにぎわっていた。

　大浴場は清潔で心地よい。イモ洗いのような状態で常に濁っている北京の一般的な温浴施設とは、わけが違う。露天風呂に入りながら、知人は「中国は人が多いから、快適に過ごしたければ値段の高い施設に来るしかない」と笑った。これぞ中国式資本主義だと感じる。平日でも入場料だけで５０００円以上。子どもも「身長６０センチ以上は大人料金」。食事やカラオケなどを加えると１人１万円は下らない。

　会計カウンターをのぞくと、ファーウェイのほかＩＴ企業の領収書が並んでいた。激しい酒盛りのイメージのある中国だが、酒が苦手な若者も多い。風呂と美食とゲームでストレスを発散することが、新時代の健康的な接待コースになっているのかもしれない。　（白山泉）