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【静岡】2つの顔、真剣勝負 パティシエ・鈴木さんが店開業

ジャンル・エリア : グルメ | 特産 | 静岡  2022年02月21日

ツリーベルへの来店を呼び掛ける鈴木真信さん=袋井市内で

ツリーベルへの来店を呼び掛ける鈴木真信さん=袋井市内で

 菓子職人(パティシエ)の鈴木真信(まさのぶ)さん(48)が昨年末、出身地の袋井市にスイーツのお店「TREEBELL(ツリーベル)」を開店した。キックボクシングのアマチュア選手でもあり「パティシエ、キックボクシングとも真剣に向き合わないと、目標には到達できないという共通点がある」と話す。

 店内には鈴木さん手作りのクラウンメロンのクリームソーダやラズベリー風味の赤ワインスープなどのスイーツが並ぶ。店名は自身の名字を英訳した。県内外のホテルなどでパティシエとして28年間働き、独立。「特産のクラウンメロンなどを使用したこだわりのデザートなどを楽しんでほしい」と来店を呼び掛ける。

 20歳の時、「おいしいものが好きだから」とパティシエを目指した。最初は、修業と称した長時間労働に、精神的に苦しんだ。経験を積んでも、スタッフの管理、英語かフランス語で出てくるレシピの和訳など、業務に際限はない。そんな中、技術や知識を積み上げ、それを表現することで喜んでくれる客の笑顔に、心地よい疲労感を得た。どんなお菓子が出てくるかと待ちわびる客に、独自色の強いお菓子の製造に全力を費やした。

キックボクシングに打ち込む鈴木さん=浜松市内で

キックボクシングに打ち込む鈴木さん=浜松市内で

◆キックボクサー アマ大会にも出場

 約7年前、「体を動かしたい」と入門した浜松市のテンクローバージム(中村庸代表)で、キックボクシングと出合った。「かなり厳しい世界では」と先入観を持っていたが、汗臭いリングには、次の試合に懸ける選手の真剣さが渦巻いていた。仕事後に週2、3回、ミット打ちやスパーリングなどの練習に励んだ。練習だけでは物足りなくなり、アマチュアの大会にも出場。7戦して2勝3引き分け2敗の戦績をマークした。

 「日ごろ積み重ねた体力がないと、キックボクシングでは通用しない。試合の中で素晴らしい技術を見いだし、キックボクシングの奥深さに触れることができれば幸せ。パティシエもキックボクシングも、積み重ねの大事さが問われる」と話す。 (川住貴)