【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【岐阜】多治見の鉄道史に焦点 市文化財保護センターでパネルや記念切符など展示

【岐阜】多治見の鉄道史に焦点 市文化財保護センターでパネルや記念切符など展示

ジャンル・エリア : 乗り物 | 展示 | 岐阜 | 文化 | 歴史 | 鉄道  2022年07月26日

 展示品の紹介をする篠さん

展示品の紹介をする篠さん

 日本に鉄道が敷設されて今年で150周年の節目を迎えたのを記念し、多治見における鉄道の歴史を紹介する企画展「多治見の鉄道史」が、多治見市旭ケ丘の市文化財保護センターで開かれている。12月23日まで。 (平田志苑)

 もともと窯業が盛んで、陶器商が多く集まっていた多治見地域。地元業界はさらなる発展を目指し、鉄道誘致に動いた結果、1900年に多治見と名古屋をつなぐ国鉄中央線が開通した。

 開通前、できあがった陶磁器は、馬の背に載せて可児まで運び、そこから木曽川を河口の三重・桑名まで船で運搬するか、名古屋まで馬に載せて運んでいた。鉄道開通により交通の利便性は向上。陶器商は鉄道網を使って全国各地の小売店に商品を売れるようになり、多治見は全国有数の陶磁器生産地へと発展を遂げた。

 一方で、中央線開通当初の多治見地域内では、粘土などの陶磁器の原料を荷馬車で笠原(現・多治見市笠原町)から市内の産地に運んでいた。次第に鉄道輸送の声が高まり、23年に中央線の多治見駅から笠原町を結ぶ笠原鉄道が開業した。その後、トラックの台頭で鉄道輸送の需要が低下したが、笠原鉄道は71年まで地域住民の足として利用され、78年に閉業した。

 会場では現在のJR中央線や笠原鉄道のほか、JR太多線、全国初の国鉄バス路線として愛知県岡崎市と多治見市をつないだ岡多線などについて、それぞれの誕生から現在までの歴史を、資料とともにパネルで紹介している。

中央線を走っていた蒸気機関車を背景に記念撮影ができる=いずれも多治見市旭ケ丘の市文化財保護センターで

中央線を走っていた蒸気機関車を背景に記念撮影ができる=いずれも多治見市旭ケ丘の市文化財保護センターで

 そのほか、国鉄時代の制服や記念切符など約200点を展示。国鉄時代の駅員帽子をかぶって記念撮影もできる。さらには、商人が小売店に陶器を販売する際に見本を入れる陶器見本かばんなど、多治見ならではの資料も置いている。

 センター学芸員の篠昌志さん(28)は「自分たちが普段使っている鉄道や住んでいる地域が昔どうなっていたかを学べる。夏休みの自由研究にお薦めです」と来場を呼びかける。8月13日と10月9日以外の土祝日は休館。(問)市文化財保護センター=0572(25)8633

記者の#つぶやき

 多治見支局で研修した新人記者です。初めて訪れたこの地域の鉄道はどのようにして生まれ育ったか。見応えのある資料が並んでいるので、歴史を詳しく学ぶことができました。