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【石川】豪華ひな飾り 親心感じて 小松市立博物館 50組彩る

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 文化 | 歴史 | 石川  2023年02月06日

御殿などきらびやかなひな飾りを並べた串町民俗資料館のメンバー=小松市立博物館で

御殿などきらびやかなひな飾りを並べた串町民俗資料館のメンバー=小松市立博物館で

市民から長年収集 串町民俗資料館が3年ぶり出展

 市民らから寄せられたひな人形を並べた小松市立博物館の企画展「あつまれ!こまつのひな人形」が、市民ギャラリールフレで開かれている。市内外からひな飾りを引き取っている串町民俗資料館は、コロナ禍の影響で3年ぶりに展示の機会を得て、華やかな御殿飾りを数多く出品。メンバーは「人形には託してくれた人の思い、家族の歴史が詰まっている。たくさんの人が見てくれたら人形も喜ぶ」と来場を呼びかける。 (久我玲)

 ひな人形を集めていた愛好家ら市民ら3人と、資料館が保管する大正から平成初期にかけてのきらびやかなひな飾り約50組が会場を彩っている。はまぐりの貝殻の手作りの人形、職人が細やかに手がけたさまざまな人形の表情が楽しい。

 半数近い20組のひな飾りを寄せた資料館は、3年前まで毎年、町の交流施設「芸遊塾」でひな人形展を開いてきた。処分されるひな飾りを住民から引き取ったのをきっかけに始まり、多くのひな飾りが一堂に並ぶ華やかな会場は話題を呼んでいた。

 来場者から、娘も家を出てもうひな人形は出さないけれど、捨てるのは忍びないと、数多く譲り受けるようになった。メンバーの男性(82)は「僕らより上の世代は、娘が肩身の狭い思いをしないように、見えを張って豪華なものを嫁ぎ先に贈ったもんや。思いが詰まっとるのを知ってたから引き取った」と話す。

 記念の10回目を迎えるはずだった2021年、コロナ禍に見舞われた。メンバーの高齢化も重なり、大がかりな作業が必要な飾り付けは難しく、展示は2年連続で見送っていた。

 資料館のメンバーは今回の企画展を知り、久しぶりに集まって、出品を決めた。1日から3日まで自分たちで会場を設営。慣れた手つきで御殿飾りを手際良く組み立て、久しぶりに出す人形の応急修理もした。メンバーの男性(82)は「人形を託してくれた人も見に来てほしい。きれいに飾られて、人形も報われとるよ」と話す。

 展示初日、幼い息子、娘と訪れた女性(34)=小松市南浅井町=は「幼い頃、父と一緒に楽しく飾ったのを思い出した。娘がもう少し大きくなれば一緒に飾りたいですね」と話していた。19日まで。入場無料。