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【福井】ブラキロフォサウルスの実物ミイラ化石、国内初公開 県立恐竜博物館

ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 生き物 | 福井  2023年04月25日

皮膚の痕跡や、ほぼ全身の骨が残っているブラキロフォサウルスのミイラ化石

皮膚の痕跡や、ほぼ全身の骨が残っているブラキロフォサウルスのミイラ化石

 今夏にリニューアルオープンする勝山市の県立恐竜博物館で常設展示の目玉になる草食恐竜「ブラキロフォサウルス」の実物ミイラ化石が、搬送され保管されている福井市の日本通運福井支店で報道陣に国内初公開された。恐竜博物館によると、ミイラ化石は希少で、世界で10体も確認されていない。うろこの形や筋肉など当時の恐竜を生で感じられ、ファンの注目を集めそうだ。

 ミイラ化石は、長さ3.03メートル、高さ2.09メートル、重さ2.3トン。米国・モンタナ州の7700万年前(後期白亜紀)の地層から2000(平成12)年に発見された。推定全長7.7メートルの大人になりかけで、死亡後にミイラ化し、化石になったとみられる。ミイラ化した理由は分かっていない。腰から下と尾の一部が風化しているが、保存状態の良さで04年にギネス登録された。

 土に付いてできた皮膚痕化石が全身に付着し、うろこの形が分かる。首から右肩にかけての筋肉も化石化している。胃の部分には、シダ植物など死ぬ直前に食べたとみられる植物片が化石になって残っている。

 所蔵するモンタナ州のグレートプレーンズ博物館から10年間、有償(年間4万ドル)で借り受ける。柴田正輝主任研究員は「筋肉の付き具合や皮膚の色など、グレートプレーンズ博物館と協力しながら新しい発見につなげたい」と話し、エックス線を使った内臓の調査などに意欲をみせた。

皮膚の痕跡が残るブラキロフォサウルスの実物ミイラ化石=いずれも福井市重立町の日本通運福井支店で

皮膚の痕跡が残るブラキロフォサウルスの実物ミイラ化石=いずれも福井市重立町の日本通運福井支店で

 ミイラ化石は「恐竜の世界」をテーマにした恐竜博物館1階に展示する。福井市の県産業会館で5月14日まで開かれている企画展「THE恐竜in福井~恐竜博物館を飛び出した恐竜たち」にもレプリカ(複製)が展示されている。

 (山内道朗)