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【三重】 伊賀の春日神社拝殿、昔の姿取り戻す 7年かけ解体修理

ジャンル・エリア : 三重 | 歴史 | 神社・仏閣  2023年05月25日

解体修理を終えた拝殿

解体修理を終えた拝殿

 県指定文化財の春日神社(伊賀市川東)拝殿の7年間に及ぶ解体修理事業が完了し、同神社で竣工(しゅんこう)式が行われた。県や市の関係者ら約100人が参加し、新しくなった拝殿の完成を祝った。式の後には竣工を記念する獅子神楽が氏子らによって披露された。 (瀬里崎蒼馬)

 同神社の拝殿は15世紀中ごろに創建されたとされる。1581年に織田信長の軍勢が攻め入った第2次「天正伊賀の乱」でも焼失を免れた。江戸時代以降、修復を繰り返してきたが、地盤沈下や部材の劣化から建物がゆがんでいた。地震や台風による倒壊の恐れがあったため、解体して修復することにした。

 2016年度に始まった事業は今年3月に終了。ゆがんでいた建物を解体して礎石を据え直すなどの基礎工事を行った後、再び組み直した。歴史的な価値を考慮し、現存する部材の半分ほどは再利用した。修復費は約2億7000万円。県が半分、市が残る費用の5分の2を補助し、5分の3を氏子らの寄付で賄った。

 
氏子らによって披露された獅子神楽=いずれも伊賀市川東で

氏子らによって披露された獅子神楽=いずれも伊賀市川東で

 21日の竣工式では、神田忠彦宮司が「昔の姿を取り戻して非常にうれしく思う。末永く大切に使わせていただきます」と感謝した。拝殿建設委の指導委員を務めた三重大の菅原洋一名誉教授は「県内でも1、2を争う古い建築物で、規模の大きい横長の拝殿は伊賀地域独特の様式。地域のよりどころとして次世代につながることを願っている」と期待した。

 竣工式に先立ち奉告祭も執り行われ、神田宮司が祝詞を読み上げた後、参列者らが玉串を奉納した。