ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 工芸品 2023年09月15日
県の伝統工芸品「伊勢根付」の作品展が、津市本町のとね菓子館で開かれている。国内外で活躍する根付師の中川忠峰さん(76)=伊勢市=と弟子7人による作品約80点が並ぶ。30日まで。
根付は印籠や巾着などのひもに通し、帯から下げるための留め具として江戸時代に使われた。伊勢根付は朝熊山産のツゲから作られ、3、4センチの小さな木に、職人らによる精緻な模様が彫り込まれている。
職人歴40年以上の中川さんは、傾けると表情が変わるからくりが施されたちょうちんや、虫に見立てたパーツが穴から出てくる栗、タコなど、遊び心あふれる根付を出品した。
作品展は、中川さんに師事する津市寿町の中山大容さん(76)が企画し、今年で10回目。中山さんは「根付は3、4センチの世界に職人が彫りたいものを何でも入れられる『小さな宇宙』。これだけ多くの伊勢根付が集まる場は少ないので、ぜひ手に取って身近に感じてほしい」と話した。
午前9時~午後7時(最終日は午後4時半まで)。水曜定休。作品はすべて購入できる。 (寺岡葵)