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【福井】三方湖・冬の風物詩、伝統の「たたき網漁」始まる

ジャンル・エリア : グルメ | 特産 | 福井  2023年12月04日

竹ざおで勢いよく湖面をたたき、魚を刺し網に追い込む漁師たち=若狭町の三方湖で

竹ざおで勢いよく湖面をたたき、魚を刺し網に追い込む漁師たち=若狭町の三方湖で

 若狭町の三方湖で江戸時代から400年以上続く冬の伝統漁法「たたき網漁」が3日、今季の初漁を迎えた。船上の漁師たちが竹ざおを湖面に打ち付けると、水しぶきとともに「バシャ」と大きな音が響いた。

 たたき網漁は竹ざおの音でフナやコイを驚かせ、設置した刺し網に追い込む漁法。網目を大きめにして小さい魚を逃がすなど資源保護の工夫が評価され、2019年には日本農業遺産に認定されている。

 この日は地元の鳥浜漁協の5隻が沖へ。湖中央部で縦1.2メートル、横160メートルの細長い刺し網を平行に仕掛け、長さ3メートルの竹ざおを一斉に振って魚を追い込んだ。約1時間の漁でフナ70匹ほどが網にかかり、50センチを超える大物も揚がった。

 海水の混ざる三方湖のフナやコイは臭みがなく、コリコリとした食感が特徴。今年は夏場にエサが豊富だったことで、よく脂が乗っているという。漁協の熊谷勘信さん(71)は「川魚特有の泥くささがなく食べやすい。ぜひ一度味わってほしい」と話した。

 たたき網漁で取れた魚は、町内の飲食店や旅館で刺し身や煮付けで提供されている。漁は水温が下がる来年1月をピークに、3月末まで続く。 (林侑太郎)