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米エジャートン 大平原で見上げる空

2018年09月21日

 中国との貿易戦争の最中にある農家に話を聞くため、中西部ミネソタ州に出張した。ミネアポリス空港から450キロのクライマックスで取材を済ませた後、エジャートンの農家までさらに500キロを車で移動した。

 ミネソタ州は地理的には大平原(Great Plains)の東端にあり、大豆や小麦などの畑が広がる穀倉地帯だ。地平線まで見渡す限り畑が続き、視界を遮る山や建物は何もない。見上げればすべてが空で、「空ってこんなに広いのか」という感覚を初めて味わった。

 空を眺めるのは意外と飽きないものだ。青空の下に広がる麦畑は絵画のような景色だったし、夕焼けの真っ赤に焦げるような空にも目を奪われた。遠い空にある雷が、無数の稲光の筋となって、神経細胞のように一面に広がる様子も鮮明に見えた。こんなに長いこと空を眺めるのは小学生のころ以来だ。

 だが、夜になると車のライト以外は、ほぼ漆黒の闇が不気味に広がるばかり。「ガソリンが切れたら大変」と言うと、米国人助手が「そういう人を狙って強盗がよく出ます」。すぐに「冗談ですよ」と笑っていたが、背筋が寒くなった。 (白石亘)

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