伝説のロックバンドと演劇
2008年7月28日
ザ・プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニヴァース(The Plastic People of the Universe)は、チェコの伝説的なロックバンドとして知られています。共産体制下の1968年、「プラハの春」と呼ばれる歴史的な事件のあとほどなくして、このバンドは結成されました。
アンダーグラウンドな活動をしていたザ・プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニヴァースは反体制的なバンドとして時の政権からにらまれ、1976年には逮捕されて投獄されたこともあります。当時はビートルズやローリング・ストーンズ、ピンク・フロイドなど「西側」の音楽を聞くこと自体が違法とされていました。
そのときのチェコスロヴァキアの時代状況をとらえた演劇がトム・ストッパードによる「ロックン・ロール」で、プラハの国民劇場でときどき上演されています。
この演劇の上演の前、ザ・プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニヴァースが舞台に登場し、演奏をします。ロックともプログレとも形容しがたい、独特のグルーブ感があります。
ロックファンにはぜひおすすめしたい、興味深い演劇です。
(写真はプラハの国民劇場で上演される「ロックン・ロール」のために演奏するザ・プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニヴァース)
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。