ビロード革命から20年
2009年11月16日
いまから20年前の1989年11月、チェコスロヴァキア(当時、今日のチェコ)でビロード革命と呼ばれる革命が起き、第二次世界大戦後の1948年からつづいた共産体制が崩壊しました。このときからチェコは新しい時代に向け、民主化の道を歩みはじめました。
あれから20年。プラハの街はずいぶんと変わりました。建物はきれいに塗られ、大勢の観光客が訪れるようになりました。古い建物が壊されて新しく建て替えられ、周囲には高層ビルが建ちはじめました。その一方、社会主義のときの名残は、ずいぶん少なくなったものの、いまでもプラハの随所に残っています。
1989年の革命や、社会主義の時代の生活を振り返る書籍の発行や、写真展も開催されています。しかし、全体的にはどこかよそよそしく、触れないようにしているとの印象があります。
それも当時の記憶がまだ人びとに焼き付いているからでしょう。近ごろでは「共産主義」とはいわずに、「全体主義」と呼ぶことが多いようです。「民主化によって生活はよくなった」と多くの人びとが口にしていますが、歴史の一こまになるにはまだ時間がかかりそうです。
写真は「千年の都」プラハ。さまざまな時代を経て、いまも美しい街並みは変わりません。
1989年の革命や、社会主義の時代の生活を振り返る書籍の発行や、写真展も開催されています。しかし、全体的にはどこかよそよそしく、触れないようにしているとの印象があります。
それも当時の記憶がまだ人びとに焼き付いているからでしょう。近ごろでは「共産主義」とはいわずに、「全体主義」と呼ぶことが多いようです。「民主化によって生活はよくなった」と多くの人びとが口にしていますが、歴史の一こまになるにはまだ時間がかかりそうです。
写真は「千年の都」プラハ。さまざまな時代を経て、いまも美しい街並みは変わりません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。