九州の列車たち
2012年1月11日
2012年最初の「ぶらっ人 from 福岡」は、私が大好きな九州の"列車たち"を紹介します。まず九州の列車といえば、JR九州の個性あふれる列車群。1988年から工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が手掛け、鉄道ファンの間で非常に高い人気を誇っています。
新幹線
■N700系7000・8000番台
昨年3月の九州新幹線全線開業に合わせ、JR西日本とJR九州の共同開発で誕生。主に新大阪―鹿児島中央を結ぶ「みずほ」「さくら」に使われ、一部の山陽新幹線・新大阪―博多「ひかりレールスター」、九州新幹線の各駅停車「つばめ」に運用されています。写真=熊本総合車両基地
8両編成でグリーン車は6号車(上)。1車両の半室が、いいプライベート空間を生んでいます。
シートは重厚、アームレストはじめ木を多用しています。(下)。
1?3号車普通車自由席は、2+3席配列(上)。足元には余裕があります。
4?8号車普通車指定席は、2+2席(中)。座り心地の良いシートなので、長距離乗車では、指定席のチョイスをお勧めします。
普通車は、窓側全席と車端部にPC用電源が用意されています(下)。
■800系
2004年の九州新幹線の部分開業・新八代―鹿児島中央に投入されました。現在は、新型800系に進化し、主に「つばめ」と一部の「さくら」に使用。6両編成、全車両が普通車で、座席は2+2席配列。木をふんだんに使った車内は落ち着きがあり、私自身は、N700系より好んで乗車しています。写真=熊本総合車両基地
号車によってシートが異なります。2号車ワインレッド革張り、6号車の赤のアイビー柄西陣織(中)などなど。
車端の壁も金箔(下)やハードメープルなどいろいろ。
在来線
■787系
1992年に栄光の名列車「つばめ」博多―西鹿児島(現:鹿児島中央)を継ぐ車両として誕生。当初は、ビュッフェも連結され、客室乗務員"つばめレディ"の接客が評判でした。現在は、「かもめ」博多―長崎、「にちりん」小倉・大分?宮崎空港の一部をはじめ、「かいおう」直方―博多や鹿児島・日豊本線の特急列車など幅広く使用されています。写真=鹿児島本線・植木―田原坂
グリーン車には、4人用個室があります(上)。1人用シートとソファが用意され、グリーン料金2人分で利用できます。
グリーン車のシートは、背中部分から中折れ式でき、非常にリラックスできます(中)。個人的には一番好きなシートです。
普通車も快適です(下)。一部車両には、4人用簡易個室席もあります。
■885系
「かもめ」の速度向上に向け、2000年に運転を開始した振り子式電車で、今では一部の「ソニック」博多―大分・佐伯でも使用されています。ホワイトの外観は、ドイツの特急電車ICEに似ています。写真=博多駅(上)
グリーン車(中)、普通車(下)とも本革のシートが使われています。
■883系
1995年に「ソニック」に投入されたJR九州初の振り子式電車です。濃いブルーのカラーが特徴です。写真=日豊本線・東別府駅(上)。
シートのヘッドレストは動物の耳をイメージ(下)。ミッキーマウスに似ているとも言われていました。
■783系
1988年にJRグループ初の新型電車として登場。"ハイパーサルーン"の愛称が付いています。日豊・長崎・鹿児島本線、佐世保線の特急で使用されています。
■185系ディーゼルカー
1986年にJR四国に登場。JR九州では「ゆふ」博多―大分、「九州横断特急」別府―人吉などに使われています。写真=久大本線・豊後森
九州新幹線でお勧めの駅弁は「鮎屋三代」1,100円(上)。焼鮎の出汁で炊いた炊き込みご飯に、鮎の甘露煮やおかずがのります。新八代、熊本駅ほかで販売。
鹿児島本線・折尾駅には、駅弁の立ち売りが健在(中)。名物・かしわめし650円ほかを売っています。
鹿児島本線・鳥栖駅は、ホームの立ち喰いうどんが有名(下)。天ぷらそばと丸天うどん、どちらも鶏肉が入りです。
次回は、九州の観光列車や私鉄をご紹介します。
- 東 淳二郎
1957年7月9日生まれ 北九州市門司区出身 56歳
印刷会社のサラリーマン生活を経て、1990年からフリーライターに。
雑誌の取材で、九州中の観光地を訪れ、グルメや温泉を堪能している。
また、もの心ついた時から鉄道ファンで、"乗り鉄"。国内はもちろん、海外でも時間をみつけては鉄道旅を楽しんでいる。