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【石川】宮本三郎 企画展で堪能

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2021年02月26日

人物を描いた大判の作品などを展示している会場=小松市宮本三郎美術館で

人物を描いた大判の作品などを展示している会場=小松市宮本三郎美術館で

◇ 昭和初期の「梅林苑」初公開 美術館

◇ ふるさと館 女性の人物画 印象深く

 小松市出身の洋画家宮本三郎(1905~74年)の作品などを集めた企画展が、市宮本三郎美術館、市宮本三郎ふるさと館の両館で開かれている。初公開作品を含め両館で計58点が楽しめる。ともに3月14日まで。 (坂麻有)

 美術館は「ゆうゆうと… 広がる絵画の見方」と題し、宮本作品を含む収蔵品44点を展示。「ゆう」と読める単語をテーマにした三部構成で、一部は「悠」をテーマに、悠然とした自然を描いた風景画が並ぶ。宮本の昭和初期の作品「梅林苑(えん)」は初公開。小さな白い花を枝につけた梅の木が素朴に描かれている。

 二部は「遊(ゆう)」という漢字を当て、遊び心あふれる作品を紹介。同市の洋画家五十嵐陽子さんの油絵「出を待つ」は、化粧をした子供歌舞伎の役者たちが、ジュースを飲む出番前の様子を描く。三部はあなたを意味する英単語「You」をテーマに人物画を並べた。展示を担当した中川成実学芸員は「解説文では絵が描かれた背景も紹介している。作者が絵に込めた思いを想像して」と話している。

 ふるさと館の企画「いのちのうた 女性像と花」では、女優や踊り子などの人物画と、大胆な色使いで花を描いた宮本作品14点を集めた。生きる喜びを表したとされる晩年の油絵「レ・トロワ・グラース」は、ギリシャ神話の三美神を題材に3人の裸婦を描写。背景に赤や黄の原色で花を描く。舞妓(まいこ)が折り鶴に口をつけて息を吹き込む姿など、舞妓の人間味に焦点を当てた水彩画5点も印象深い。

裸婦と花を描いた「レ・トロワ・グラース」(左)などの作品が並ぶ会場=小松市宮本三郎ふるさと館で

裸婦と花を描いた「レ・トロワ・グラース」(左)などの作品が並ぶ会場=小松市宮本三郎ふるさと館で

 美術館は入館料300円、高校生以下無料。会期中無休。ふるさと館は入館無料、月曜休館。