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【石川】表情豊かな顔 見応え 加賀市美術館 近代画家 30作品展示

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2022年08月22日

人の顔や表情に着目して選んだ貴重な作品が並ぶ企画展=加賀市美術館で

人の顔や表情に着目して選んだ貴重な作品が並ぶ企画展=加賀市美術館で

 人の顔に着目した企画展「顔・かお・カオ~描かれた表情~」が、加賀市美術館で開かれている。昭和の日本近代洋画を代表する画家たちの貴重な作品も並び、芸術へのエネルギーに満ちた当時の時代の空気を体感できる内容になっている。9月4日まで。

 新型コロナ禍でマスク生活が日常化し、人の表情が読み取りづらい昨今、もともと人間が持つ、顔や表情に対する鋭敏な感覚を思い出してもらおうと企画。館蔵品のほか、個人のコレクションから計30点を紹介している。

 中でも展示室奥では、有島生馬や硲(はざま)伊之助、林倭衛(しずえ)、木村荘八など、欧州の近代絵画の新潮流を取り込みながら、独自の油彩表現を追求した画家たちの人物画が時代を追って並ぶ。互いに切磋琢磨(せっさたくま)して一時代を築いた画家たちの顔の表現を概観でき、とても見応えがある。このほか宮本三郎や鴨居玲、25歳で早世した四谷十三雄など。

 風景画の印象が強い森本仁平の自画像をはじめ、市出身作家の作品も並ぶ。

 同館の洞口寛学芸員は「その時代の空気が濃厚ににおう展示空間になった。作家の目を通して、描かれた当時の人々の人生や生きざまに思いを巡らせてほしい」と話す。火曜休館。午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)。(小室亜希子)