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【石川】江戸っ子好み 浮世絵一堂に 七尾美術館で巡回展

ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 石川 | 芸術  2023年08月17日

江戸時代の水族館を描いた浮世絵などが並ぶ会場

江戸時代の水族館を描いた浮世絵などが並ぶ会場

歌麿や広重作品 国際学会・中右さん解説

 人気の巡回展「絵師も動物も、人気モノ勢揃(せいぞろ)い-動物たちの浮世絵展」が、国内で先がけて七尾市小丸山台の県七尾美術館で開かれている。動物たちを主役に、人々の暮らしぶりが写し出された多彩な浮世絵が並ぶ。 (大野沙羅)

 江戸時代の人々に親しまれたネコやイヌ、金魚をはじめ、人と働くウマや地震の元凶と考えられていたナマズ、空想の珍獣…。5章に分け、喜多川歌麿や歌川広重などの人気絵師たちが描いた江戸中期から明治初期まで140点の浮世絵を集めた。美人画や役者絵、武者絵などにも動物が登場。ペットのほか、水族館で飼育されたり、人や物資の輸送などで重宝されていたりする様子も読み取れる。

 初日の7月30日は監修した国際浮世絵学会の中右瑛(なかうえい)常任理事による解説もあり、ネコが格子窓から熊手を担ぐ行列を眺める寂しげな背中が印象的な作品や、源氏物語になぞらえた作品などを順に紹介。「江戸の暮らしに動物は欠かせない。彼らを見つけ出し、江戸人の暮らしに思いをはせるのも楽しみの一つ」と話した。

展示監修の中右瑛さんが作品を解説=いずれも七尾市小丸山台で

展示監修の中右瑛さんが作品を解説=いずれも七尾市小丸山台で

 同館では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年9月からの予定で準備していた中右さん監修の巡回展「黄金期の浮世絵 歌麿とその時代展」が一日も公開できず、中止になった。当時も担当した学芸員の北原洋子さんは「2年前のリベンジになる。七尾で前倒ししてスタートできたので、どこよりも早く見てほしい」と熱い思いを語った。

 巡回展は9月18日まで。午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。観覧料一般800円、大学生350円、高校生以下無料。