ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 文化 2023年02月14日
人々の生活の移り変わりを体感できる恒例の企画展「昭和のくらし 昭和のおもちゃⅡ」(中日新聞社後援)が、四日市市安島の市立博物館で開かれている。民芸品やブリキの玩具、家庭用ゲーム機まで懐かしいおもちゃが大集合。鉄道ジオラマもあり、子どもから大人まで楽しめる。3月12日まで。
張り子や手まり、木彫りの人形など全国各地に伝わる「郷土玩具」を特集。遊び道具としてだけでなく、魔よけや子どもの健やかな成長など、込められた願いについても紹介する。乗り物やキャラクターなど多種多様なブリキのおもちゃや一大ブームとなった消しゴムのおもちゃ、携帯型ゲーム機まで、当時の子どもたちが夢中になった遊びの変遷を見ることができる。
昭和30年代ごろの三重交通三重線日永駅(現・あすなろう鉄道日永駅)周辺をテーマにしたジオラマは、職員手作りの力作だ。薄黄色と緑色に塗り分けられた車両や、周辺の町並みが細部まで作り込まれている。
かまどで煮炊きをしていた昭和初期と、家電が普及した昭和30年代のそれぞれの居間と台所を再現した展示もあり、高度経済成長で暮らしが一変した様子を見ることができる。黒電話やワープロ、洗濯板など、触って体験できるコーナーもある。
博物館職員の野口裕さんは「現代はSDGs(持続可能な開発目標)の考えが広まり、便利さだけを追求してきた社会の在り方を考え直す岐路にきている。昭和の暮らしに立ち返り、豊かさとは何なのか、考える機会となれば」と話している。
観覧料は400円で、高校生と大学生は300円、中学生以下は無料。開館時間は午前9時半~午後5時(最終入場は4時半)。月曜休館。3月5日の午前10時~正午には「昭和のあそび」を体験できるイベントが同館1階講座室で開かれる。対象は小学生から中学生までで、申し込み不要、参加無料。
(片山さゆみ)