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【愛知】昭和な世界にようこそ 80年代へGO 名古屋市中区

ジャンル・エリア : サブカルチャー | 愛知 | 文化  2024年03月07日

古着店「メトロポリタン」で、色鮮やかな服を並べる奥瀬高広さん

古着店「メトロポリタン」で、色鮮やかな服を並べる奥瀬高広さん

 今春放送されているCBC-TBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」をご覧になっているだろうか。昭和のバブル真っただ中である1986年に生きる体育教師が令和にタイムスリップする物語。昭和の文化や音楽が盛り込まれているのも話題だが、当時を知らない視聴者も多いのではないだろうか。一体どんな時代だったんだろう? 80年代にタイムスリップできる場所を、名古屋市街で探してみた。

 まずは、当時の洋服がそろう中区大須の古着店「メトロポリタン」だ。エメラルドグリーンの壁が印象的な店内には、60~80年代のワンピースやシャツなどがぎっしり並んでいる。その数約700点。ショッキングピンクのブラウスや独特の幾何学模様のシャツなど、今はあまり目にしないものばかりだ。

 客層は20~40代の女性が中心。オーナー奥瀬高広さん(47)は「現代にはない鮮やかな色使いやデザインが面白い。使い捨てるファストファッションではなく、作りもしっかりしている」と魅力を語るが、日ごろの装いに取り入れるのは難しそう…。すると「無地が白いご飯なら、柄はおかずと思って。当時の着方をなぞらえなくていい」。まるで時間移動してきたような、昭和と令和をミックスしたファッションが楽しめそうだ。

昭和歌謡が流れるバー「スウィートメモリーズ」。店長の伊藤昭宏さんは中森明菜ファン=いずれも名古屋市中区で

昭和歌謡が流れるバー「スウィートメモリーズ」。店長の伊藤昭宏さんは中森明菜ファン=いずれも名古屋市中区で

 続いては夜の街へ。栄の繁華街の中心「錦三」のビルの5階に「昭和歌謡曲バー スウィートメモリーズ」を見つけた。扉をくぐると、店内に流れるのは70~80年代の歌。松田聖子さん、中森明菜さん、近藤真彦さん…当時のレコードの写真が壁一面に張られている。

 カウンターにはマイクが。カラオケ用…と思ったら、おもちゃ。店長の伊藤昭宏さん(58)は「カラオケだと歌う人が主役になる。ここでは聴きながら青春時代にひたってほしい」。リクエストを入れて好きな曲を流すこともでき、壁の一角にはリクエストのランキング表も飾られている。よく見れば歌番組「ザ・ベストテン」に出てくるランキング表そっくり。1位はレベッカの「フレンズ」だった。

 知っている曲がかかると、つい体で小さくリズムを取ってしまう。「この頃の曲は時代のエネルギーが感じられる。若い世代も、そういう昭和の元気にひかれて聴きに来るのでは」。情熱的な歌手の声に、エネルギッシュな昭和の空気を感じた。

 ドラマでは、バスや喫茶店など何げない場所から昭和にタイムスリップする。80年代を味わえる空間は、古着店やバーのように、街中のいろんな場所にあるのかも。 (堀井聡子)

 ▼ガイド メトロポリタンは地下鉄鶴舞線「大須観音駅」から徒歩3分。営業時間は正午~午後7時。不定休。(電)052(720)2063。スウィートメモリーズは地下鉄東山線「栄駅」から徒歩2分。営業時間は午後8時~深夜。日・月曜、祝日定休。席料は1100円、1時間半を超えたら追加で660円。(電)052(953)3335

(中日新聞夕刊 2024年3月7日掲載)