祇園祭の風習「無言詣り」
2021年7月19日
真夏の京都からこんにちは。賀茂ナス子です。
長かった今年の梅雨! ついに「梅雨明けされたとみられる」と、気象庁より発表されました。
ひさしぶりの青空とともに、京都の暑い暑い夏の始まりです。
マスクは外せずお出かけも限られますが、感染症対策を万全に、できる範囲で楽しみたいですね。
7月の京都といえば、もちろん祇園祭一色!
もちろん、昨年に引き続き、今年も山鉾巡行や神輿渡御(みこしとぎょ)などは中止です。
しかし、鉾建ての技術継承や懸装品の虫干しのため、前祭でもいくつかの山鉾が建てられました。
7月18日より、後祭のいくつかの山鉾建ても始まっているようです。
とはいえ、密になってしまうので気軽に鉾建ての見物にも行けないですよね。
今年の鉾建てが疫病退散に大きくつながり、来年の祇園祭は完全に復活することを願うばかりです。
祇園祭といえば、山鉾が主役と思いがちですが、じつはそうではありません。
主役は「神輿(みこし)」であり、もっとも大切な行事は「神輿渡御(みこしとぎょ)」だとか。
3基の神輿(中御座・東御座・西御座)に八坂神社の3体の神様が乗り、京都のまちを清めて回る厄払い儀式です。
中御座は主祭神の素戔嗚尊(スサノヲノミコト)。東御座はお妃の櫛稲田姫命(クシナダヒメノミコト)。
そして、西御座は八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)。
神輿渡御は行われなくても、御神霊は7月17日の神幸祭に八坂神社から四条寺町の「御旅所(おたびしょ)」へ。
御幣にそれぞれ御神霊が遷され、7月24日の還幸祭まで、御旅所に滞在されます。
左から中御座、東御座、西御座の御神霊が遷されています。
ところで、「御旅所」は、普段は「Otabi Kyoto(四条センター)」という京都の土産物店です。
毎年、祇園祭の期間は「御旅所」に改装され、7月16日の宵山までは厄除け粽の授与所になります。
御旅所に神様が鎮座される7月17日から24日の夜に、静かにおこなわれてきた風習があります。
祇園・花街の芸舞妓さんたちによる「無言詣り(むごんまいり)」です。
この期間、お座敷を終えた芸舞妓さんが八坂神社から御旅所まで歩いてお参りするそうですが、ひと晩の間に7往復半。
お参りが終わるまで無言を貫くのがルールで、これにより秘めた願いごとが成就するとされたのだとか。
途中でうっかり口を開いてしまったり、誰かに会ってあいさつをしてしまうとイチからやり直し。
もちろん一般の人も好きな時間に(勝手に)お参りできるので、7往復半に挑戦してみてはいかがでしょうか?
マスクをしている今こそ、お参りしやすいかもしれませんね。
■祇園祭 八坂神社 御旅所(ぎおんまつり やさかじんじゃ おたびしょ)
京都市下京区四条通寺町東入ル南側貞安前之町
阪急京都河原町駅から徒歩3分
- 賀茂 ナス子
京都生まれ、京都育ち。
中学は吹奏楽部、高校は茶道部に所属、そして大学時代はアメフト部のマネージャーを経験。
やりたいことは何でもやってみるのがモットーだ。
念願だった京都の編集プロダクションに入社し、京都のフリーマガジン[news]や京都に関する旅行誌などの編集・ライターを担当している。
友達に舞妓さんがいるのがちょっとした自慢。
愛犬は柴犬。二条城のまわりを散歩するのが日課だ。
好物は京都[第一旭]のラーメン。
おやつは[出町ふたば]の豆もち。
最近名古屋がわりと近いことを知った。
京都はうす味の料理が多いので、みそカツをはじめて食べたときごはんを3杯食べた経験を持つ。
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