京都の萩の名所めぐり
2021年9月21日
初秋の京都からこんにちは。賀茂ナス子です。
緊急事態宣言下、休日はもっぱら散歩したり自転車に乗ったりして過ごしています。
コロナ禍でも変わらず季節がめぐるなかで、少しでもよろこびや楽しみを見つけたいものです。
この時期、京都では「萩(はぎ)」の花が見ごろを迎え始めています。
ハギ、キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、オバナ、ナデシコ。
秋の七草のひとつにも数えられ、『万葉集』では、萩がもっとも多くの歌に詠まれているそうです。
というわけで、自転車で京都の萩の名所をめぐってきました。
まずは、「萩の宮」とよばれる「梨木神社」へ。
境内には500株もの萩が植えられ、例年「萩まつり」が開催されることでも知られています。
今年も神事のみの斎行ですが、萩にちなんだ歌を詠んだたくさんの短冊が吊るされていました。
「千年の 昔の園も かくやありし 木の下かげに 乱れさく萩」
日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の歌碑も、萩を詠んだもの。
梨木神社の近くで少年時代を過ごした湯川博士は、同神社の「萩の会」の初代会長を務めたそうです。
京都の三名水のひとつ「染井(そめい)」も萩の花に囲まれ、秋の気配が漂っています。
社務所では、可憐な萩が描かれた「萩土鈴」などの授与もありますよ。
梨木神社を北上し、今出川通を東に進んだ川端通にたたずむ「常林寺」。
梨木神社の「萩の宮」に対し、常林寺は「萩の寺」とよばれています。
京阪出町柳駅からすぐの場所にあるのですが、普段は静かで観光客もほとんどいません。
山門の外から紅白に色づく萩が目に飛び込み、吸い込まれるように境内へお邪魔しました。
参道にしなだれかかるように萩の花が咲き誇り、奥の本堂の前まで萩で埋め尽くされています。
本堂は通常非公開で、ご本尊の阿弥陀三尊像がまつられています。
また、地蔵堂は、常林寺が創建されるよりも前から存在していたとも伝えられているとか。
境内から山門越しに川端通を望みます。
常林寺から今出川通をずっと東へ進み、神楽岡通を南下して「真如堂(真正極楽寺)」へ。
本堂の真如堂などが萩の花に囲まれ、初秋の風情満点です。
また、早くも境内のカエデが紅葉し始め、秋の空に三重塔などが映えます。
紅葉シーズンには多くの人でにぎわいますが、今の時期は静かに落ち着いて拝観できそうですね。
手水舎にも萩などの季節の花や青モミジがあしらわれ、すがすがしい気分になりました。
真如堂の近くにある「迎称寺(こうしょうじ)」も萩の名所です。
通常非公開の寺院ですが、「萩の霊場」とよばれています。
門前の土塀に沿って萩の植え込みがあり、シーズンになると紅白の萩の花が出迎えてくれます。
お寺に入らずに萩の開花を楽しむことができますよ。
真如堂や迎称寺の近くには「吉田山荘」があり、敷地内には「カフェ真古館」も。
この日は早朝だったので営業前でしたが、散策の合間のティータイムにおすすめです。
そのほか、上賀茂神社(賀茂別雷神社)や下鴨神社(賀茂御祖神社)などでも萩の花を楽しめます。
常林寺がもっとも早咲きで、場所によって開花時期が異なるようです。
桜や紅葉が人気の京都ですが、四季折々に咲く小さな花にも注目してみてはいかがでしょうか?
■梨木神社(なしのきじんじゃ)
京都市上京区寺町通広小路上ル染殿町680
市バス停府立医大病院前下車、徒歩3分
■常林寺(じょうりんじ)
京都市左京区川端通今出川通上ル田中下柳町33
京阪出町柳駅から徒歩すぐ
■真正極楽寺 真如堂(しんしょうごくらくじ しんにょどう)
京都市左京区浄土寺真如町82
市バス停真如堂前下車、徒歩5分
■迎称寺(こうしょうじ)
京都市左京区浄土寺真如町22
市バス停錦林車庫前下車、徒歩10分
- 賀茂 ナス子
京都生まれ、京都育ち。
中学は吹奏楽部、高校は茶道部に所属、そして大学時代はアメフト部のマネージャーを経験。
やりたいことは何でもやってみるのがモットーだ。
念願だった京都の編集プロダクションに入社し、京都のフリーマガジン[news]や京都に関する旅行誌などの編集・ライターを担当している。
友達に舞妓さんがいるのがちょっとした自慢。
愛犬は柴犬。二条城のまわりを散歩するのが日課だ。
好物は京都[第一旭]のラーメン。
おやつは[出町ふたば]の豆もち。
最近名古屋がわりと近いことを知った。
京都はうす味の料理が多いので、みそカツをはじめて食べたときごはんを3杯食べた経験を持つ。
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