サンゴの白化
2016年9月30日
9月末になって、東海地方ではそろそろ秋の気配も感じるころではないかと思いますが、沖縄はまだまだ夏!今年は例年と比べても9月末とは思えない暑さです。8月から北海道や東北に台風が直撃して大きなニュースになりましたが、沖縄本島には今年はまだ一つも台風が近づくことなく、そのせいで異常に海水温があがり、7月末ごろからサンゴの白化が進んでします。海水温が高いので、海の中に入ると、ぬるま湯のようでした。
サンゴの白化とは…。サンゴは、サンゴの中に、光合成を行う褐虫藻という生き物と共存していますが、海水温があがりすぎると、この褐虫藻がサンゴから出ていってしまい、そのせいでサンゴは白くなってしまいます。白くなったサンゴは光合成も行えず、栄養をとることができなくなり、やがて死んでしまいます。最近は、日本だけでなく、グレートバリアリーフ、モルディブでも大規模白化が問題になっているようです。
沖縄でも、国内最大規模のサンゴ礁の、石垣島と西表島の間の石西礁湖はじめ、9割が白化してきているそうです。
海の中の様子はこんな感じ。茶色っぽいサンゴもありますが、多くのサンゴが白化しています。
サンゴの中でも、特にテーブルサンゴや枝サンゴが白化しています。今は白く輝いていて、むしろきれいなくらいなのですが、このままだと、白化したところが変色してそのまま死んでしまいます。
サンゴが死んでしまうと、がれきのようになってしまい、サンゴに群れる熱帯魚たちも住む家を失ってしまうことになります。
せっかく育ってきた小さいサンゴたちも、真っ白になってます。
この大きなテーブルサンゴは、写真の左の端から焦げ茶色になってきていて、その部分はもう死んでしまったということです。
現在、台風18号が沖縄本島に向かっているので、これで少しは回復するとよいなあと思っています。台風は、観光で来られる方には迷惑だし、農作物はじめ大きな被害が出るような台風は困るのですが、海のためには、時々台風がきて海の中をかきまぜてもらわないといけないんですよね。
最近、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究で、サンゴの遺伝子の解明が進んでいるそうで、これが白化の究明の一歩になるのではないかと期待されています。
いつまでもこのきれいなサンゴ礁や、そのサンゴ礁に熱帯魚が群れる風景を見たいものですね。
- 田辺 里美
南国リゾートが大好きで、2002年に家族で沖縄に引っ越し。
本島内を中心にくまなく遊びながら情報提供しているうちに、観光関係(特に家族旅行)を中心としたライターの仕事も受けるようになる。
趣味はシュノーケルと食べ歩きと旅行。食べ歩きのせいか、どんどん横に大きくなるのが悩みの種。離島へのミニ旅行が楽しみで、特に宮古島と阿嘉島が好き!
息子たちが巣立った後は、夫と小さい民宿を開くのが夢。
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