白川郷の桜、五箇山の桜~世界遺産の春~(岐阜県、富山県)
2022年5月 2日
「白川郷も桜が咲き始めました。」
愛知県では桜が散ってしまった4月の半ば。白川郷から届いたSNSからの便りに旅虫が騒いだ。白川郷へは何度も行っているが、雪と紅葉と夏の時期が多く、桜の咲く合掌造り集落を見たことはなかった。運よく、好天予報の週末。1年に数日しかないこの機会に訪れたておきたかった。合掌造り集落には桜がよく似合う。せっかくだから県境を越え、五箇山へも行ってきた。五箇山の桜も期待通りに美しく。そんな世界遺産の春風景。
まずは、白川郷の展望台へ。ここからの眺めは、雪のライトアップや放水の風景が有名だが、春の姿も格別だ。満開の桜、そして眼下に拡がる合掌造り集落。遠くには冠雪まだ残る白山連峰の姿。雲一つない青空の演出も加わり、最上級の日本的風景を眺めることができた。
展望台から降りる道中にも合掌造りの民家が点在。1本桜と民家ののどかな風景に思わず車を停める。
大駐車場に車を移動し、集落へ。出迎えてくれたのは、水面にリフレクションする桜の姿。
集落内の田圃にも白山連峰のリフレクション。これから田植えの季節になり、水が張られていけば、もっとこんな風景が見られるのだろう。その季節もまた楽しみだ。
春の白川郷は気持ちいい。済んだ空気と、せせらぎの水の音、そして、ひとつひとつがこの村の生活文化を感じさせてくれる集落の風景。のんびり歩きながら、白川郷ならではの時間を過ごした。
白川郷には、桜並木やまとまって咲いているところはない。それぞれの民家に寄り添うように咲いている。それがこの村の桜風景の良さかも知れない。
2時間くらいかけて村をひと巡り。鯉のぼりも気持ちよさげに泳いでいる。最後は、桜と雪山と人力車。人力車に乗って案内をいただきながら、村を巡るのも良さそうだ。
白川郷から五箇山へは約40分。白川郷まで行ったらぜひ五箇山へも立ち寄りたい。五箇山には菅沼と相倉の2つの合掌造り集落があり、どちらも趣があり、それぞれの良さがある。
まずは菅沼集落へ。白川郷同様、桜は満開。幸運な時を過ごすことができた。集落の規模はそれほど大きくはなく、30分もあればぐるりと巡ることができる。穏やかな春の光と集落の静けさ、合掌造り集落の良さがここにもある。
菅沼集落から相倉集落へはさらに10分。菅沼集落も相倉も山が間近に迫っており、まさに山の麓の集落の景観が見られる。桜のほかにも春らしい花が咲き、相倉の春に彩りを添えていた。
- 田中 三文 (たなか みつふみ)
愛知県豊橋市生まれ。
出版社勤務を経て、現在は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部 上席主任研究員。
愛知大学地域政策学部非常勤講師(観光まちづくり論)
地域を盛り上げる観光事業や集客計画など、手がけてきたプロジェクトは数知れず。
2012年より2014年まで昇龍道プロジェクト推進協議会・台湾香港部会長を務め、
同エリアのインバウンド促進計画や外国人受入環境整備などにも力を注いでいる。
旅と写真とロックを愛する仕事人で、公私ともに、さすらいの旅人として各地を巡っている。
日本の真ん中に位置する中部北陸地域の形は、能登半島が龍の頭の形に、三重県が龍の尾に似ており、龍の体が隈無く中部北陸9県を昇っていく様子を思い起こされることから同地域の観光エリアを「昇龍道」と呼んでいます。
この地域には日本の魅力が凝縮されており、中部北陸9県が官民一体となって海外からの観光客誘致を促進する「昇龍道プロジェクト」も好調です。このブログでは、「昇龍道」の四季折々の姿を写真と文章で紹介していきます。
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