【チェコ】テルチの本屋さん
2023年9月25日
90年代はじめのころのプラハには思わず通いたくなるような古書店を含む本屋さんがいくつかありました。
千野栄一さんの本にその名も『プラハの古本屋』というものがあります。社会主義の時代のお話ですが、その発展的な名残を感じました。時代時代の本屋さんということでしょうか。
そうした記憶はもう遠い昔のことになっていましたが、久しぶりに、本当に久しぶりにテルチという小さな街でそんな本屋さんと出会い、おおっと思いながら棚をなめるように見ていきました。
店のいちばん奥にある隠し部屋みたいなところにあったのは、稀覯本ではなく、プラモデル。零戦などもありました。本ではないのか、というのがまたおもしろいところです。
印象的だったのは、個人の本棚を見ているように思えたことです。つまり店の主は自分で読んでよいと思ったものだけを並べているわけです(プラモデルもきっとそうでしょう)。よい本屋さんの鍵はそこにあるのかもしれません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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