【スロヴァキア】スロヴァキア語のこと
2024年2月26日
言葉とは不思議なもので、一つひとつはアルファベットという記号にすぎないのに、組み合わされることで意味をもちます。
日本から移り住んだとき、小学5年生だった娘がはじめて覚えたのは、忘れもしない、ズムルズリナ(zmrzlina)という舌がからまりそうな言葉でした。この呪文を口にするとアイスクリームが手に入れられることから、すぐなめらかに発音できるようになりました。
そんな娘から最近、教えられたのが、街角に貼られた小さなポスターにあるPRDという言葉です。英語で書かれたコーヒーと古着はわかりますが、店の名前なのか、PRDが意味不明です。
英語の「プロダクト要求仕様書(Product Requirements Document)」かなと思いましたが、これはおなら、日本語の「プウ」とか「プリッ」とかに相当する言葉だというのです。それを知ると込められた諧謔がわかってきます。
アイスクリームにはじまった言葉の習得は、大学院まで進んでおならに帰結したのかと考えると、親としては笑いが止まりません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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