神戸の裏山のアルプス
2012年12月24日
今年もあとわずかになりましたね。皆さんにとって今年はどんな年だったでしょう・・・そして、どんな山の頂上を踏みましたか?
さて、「六甲山」というと、我がドラゴンズの好敵手・タイガースをイメージされるかもしれませんが(笑)、山を愛する人にとっては特別な響きがあるようです。
昭和初期の登山家で小説「孤高の人」のモデルとなった加藤文太郎のフィールドであり、彼のトレーニングの場であったことが「六甲」の名を伝説的に輝かせたのではないでしょうか・・・
今回は「六甲全山縦走路」の起点・須磨浦公園から須磨アルプスを経て妙法寺まで歩きました。
スタートの須磨浦公園です。もちろんロープウェイは使いません・・・
急な坂道を歩いていくと明石海峡大橋、そして淡路島が見渡せます。
登っては下り、登っては下りという変化に富んだルートです。こんな住宅街を抜けたりもします。
「400階段」です。下から見上げても終点が見えません(汗)・・・
やがて、須磨アルプスの核心部「馬の背」がドーンと広がります。
花崗岩が風化して独特の山容を形成しています。正に馬の背中の上を歩くよう・・・まずは岩にはいつくばって登ります。
痩せ尾根の幅は70cmほど、両側は断崖絶壁・・・ 慎重に、そして楽しく通過します。
振り返ると、続々と登山者が登ってきます・・・
馬の背の後ろにそびえるのは「神戸槍」横尾山(標高312m)!
さすがに「アルプス」の名を持つだけの景観です。しかし、眼下は閑静な住宅街・・・このギャップが楽しいですね!
今回のゴール付近はやはり住宅街です。
馬の背ですれ違った79歳の地元のおばあちゃんは傘をストック代わりにして楽々と歩いて行き、我々を唖然とさせました・・・
ちなみに、かの加藤文太郎は六甲全山を踏破した後、宝塚から須磨までそのまま歩いて帰ってきたようです。なんと日帰りで。一日に歩いた距離は100kmだったそうな・・・
山登りのトレーニングができて、眼下には海や神戸の町並みが広がる、こんなにステキな山の近くに住んでいる人が真剣に羨ま(裏山)しく思いました・・・(笑) お後がよろしいようで・・・
それでは、よいお年を! 来年も平和で穏やかな年になりますように・・・
取材日: 2013年12月22日、23日
※文章、写真、所在地などは取材時のものです。あらかじめご了承ください。
また、山の状況も取材時のものですので、お出かけの際にはご注意ください。
- 岳(たけし)
昭和38年、名古屋市生まれ。40代半ばから本格的に山歩きを始める。
20代の頃より今の方が体力も気力もある!と言い切り、旅行会社に勤務しながら、仕事で、プライベートで、
里山から3000m級の山々を軽やかに(?)駆け巡る日々を送る。
モットーは、「やる気と勇気と根気があれば、不可能はない!」
ちなみに、岳はれっきとした本名。