【スロヴァキア】スピシュ城訪問 2
2012年11月26日
スピシュ城は丘のうえに建っています。その丘がなかなか急で、息を切らせながら登ることになります。この城の最後の所有者だった貴族も18世紀初頭にはここに住むのをあきらめ、麓に宮殿を建てて住んだというのもわかる気がします。
がんばって丘を登っていっても、壮大な城は近づけば近づくほど、スケール感を失い、最後は石の固まりになります。逆に帰り、城から離れれば離れるほど、この城本来の姿を取り戻します。
それはおもしろいほどで、一歩離れればそれだけ美しさを増すという感じなのです。つまりこの城は離れてみたほうがその美しさを堪能できるのです。
とくに城下町スピシュスケー・ポドフラディエから見た城の景観は美しく、まるで宙に浮かんでいるように見えます。世界遺産を抱える街としてはあまりに素っ気なく、観光地らしさにかけるところもスロヴァキアらしいといえばらしいのかもしれません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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