【チェコ】映画『リディツェ』の封切り
2011年6月13日
1942年5月27日、第二次世界大戦中のプラハで、大きな事件が起きました。ナチス占領下のチェコの副総督であるラインハルト・ハイドリヒが暗殺されたのです。
ナチス・ドイツはこの暗殺にプラハ郊外にある小さな村リディツェがかかわっていたとにらみました。とくに証拠はなく、実際無関係だったのですが、ナチスは示しをつける必要がありました。そこで6月10日、村人を虐殺したうえで、村を跡形もなく、徹底的に破壊しました。
この歴史的な事件を元にした映画『リディツェ』が制作され(監督ペトル・ネコラエフ)、さる6月2日からチェコの映画館で公開されています。
映画を見ていると、戦時下とはいえ、ほんとうにごく普通の人びとが突如、過酷な運命にさらされたことに気づかされます。男性は全員銃殺され、女性は強制収容所で政治犯として働かされ、子どもは毒ガス車で殺されます。
運命と呼んでよいのかわからないほど残酷な史実を織り交ぜながら、物語は淡々と進みます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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