【スロヴァキア】パネラークは理想の住居か
2013年6月 3日
現在ブラチスラヴァの街では建築ラッシュがつづき、オフィスビルに住居用マンション、ショッピングモールと、新しいビルが次々に建っています。
新しいビル群は、社会主義の時代に建てられたパネラークと呼ばれる団地群と好対照を描いています。
洗練された今日の建築に比べてしまうと、パネラークは時代遅れで、無機的なものに感じるかもしれません。ブラチスラヴァに暮らしはじめた当初、ぼく自身、そのような印象がありました。
しかし、街になじんでくると、パネラークという建築が人間が生活する場としてよく考えられているように感じるようになりました。これがチェコスロヴァキアがかつて志向した「人間の顔をした社会主義」というものではないかと考えたりもします。
人間が住む空間としての住居は、だれしもが必要としています。必要だからこそ、きちんと考えなくてはいけないものだと思うのです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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