【スロヴァキア】ダムがつくりだしたドナウの景観
2013年6月17日
ドナウ川というと、ヨハン・シュトラウス作曲の『美しく青きドナウ』がまず頭に浮かぶかもしれません。しかし、スロヴァキアで見るドナウ川は、「青きドナウ」というよりも、海のように広い大河の印象があります。
はじめ目の当たりにしたときは、ドナウというのはこんなに大きかったのかと、広大な風景にずいぶん驚かされました。しかし、これはドナウ川の原風景ではなく、下流域にあるダムによってせき止められたことから生み出された人工的な川辺の風景だということに、ほどなく気づかされます。
ダムは社会主義の時代、1977年にチェコスロヴァキアとハンガリー両国によって計画されました。度重なる洪水を防ぎ、船舶の運行と同時に、水力発電所をつくるためでした。しかし、環境問題によって計画は難航。
ようやく完成したのは1996年のことでした。ですので、いま見ることのできる景観は比較的新しいものということになります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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