【世界】平和を我らに
2014年12月29日
ぼくが子どものころ、世界は資本主義と社会主義に二分されていました。日本は資本主義で、チェコやスロヴァキアは社会主義の国でした。「冷戦」「鉄のカーテン」といった言葉を、日常のなかで意識しました。
クリスマス・マーケットの開かれるナームニェスティ・ミールを日本語にすると「平和広場」になります。広場の下にある地下鉄駅はとても深い位置にあります。核戦争に備えたシェルターの役割のためだといわれています。
広場の片隅に、「平和の偶像」と題された彫像を見つけました。1979年、イージー・クリシュトゥーフェクという人がつくりました。ソ連がアフガニスタンに侵攻し、原宿で竹の子族が踊り、金八先生が流行った年です。
振り向く人のあまりいないこの像を見ながら、世界が平和であればいいと思う2014年の暮れです。平和とは、あたりまえの暮らしがあたりまえにできる、ただそれだけのことです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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