【スロヴァキア】スロヴァキアの美術史を考える
2018年4月 9日
旧市街にネドバルカー・ギャラリーという、通りの名前を冠した美術館があります。ここがなかなか魅力的な、居心地のいい空間なのです。
最大の特徴は国外ではまずなじみのないスロヴァキアの美術史をコンパクトに凝縮し、作品を通じて包括的に流れを理解できるよう、工夫している点にあります。
展示は4階からはじまり、下に降りて行くにしたがい時代が新しくなっていきます。2階までが常設展で、1階ロビーでは現代の作家による企画展がおこなわれます。規模が大きくないので、その分じっくり、歩き疲れることなく鑑賞できます。
開館は2012年と新しく、また運営はNPOというところが興味深いです。美術館というと公立であることがいまは多いのですが、こうした試みが世界中でもっと広がるといいなと思います。入場料(4ユーロ、2018年4月現在)に喫茶室でのドリンク代が含まれるのもうれしいです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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